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2015年4月18日 (土)

映画感想『イニシエーション・ラブ』

(監督・堤 幸彦、脚本・井上テテ、原作・乾くるみ)です。久しぶりに東宝の試写室で鑑賞しました。堤さんの『悼む人』は観逃したので(どうも、鬱病の具合が悪いときは外に出られません)、これくらいは観ておかないと、と。
で、これ、ラブストーリーではなく、ミステリらしいんで、映画館で観たいひとは、ここからは読まないように。


チラシに「これを読んでいるあなたは、すでに騙されています」とキャッチが入ってますが、これは、このタイトルそのものがトリックだということです。誰もが通過する儀礼の恋、と直訳できますが、そういうラブストーリーだと思って観ると、ふーん、そうなの。ということになります。(たぶん)
で、やっぱり堤監督の仕事だねえ、と、いつもながら感心しました。(職人の賃仕事としてですが)。私も職人の賃仕事は多くやってきましたから。quality を落とさずに、観客が適度に突っ込み入れられるように、エンタってます。こういうの創るのって、単純そうで、難しいんです。
原作の場合は、「最後の二行でくつがえり」、映画は「最後の5分で覆す」ということでしたから、私はミステリは miss direction に騙されるのが好きで読んだり観たりする種類なもんで、そうしようかとも思いましたけど、途中で、「ああ、これは時系列の操作かな」とか、「ヒロインには別に男がいるよね」とか、「おそらくパラレル・ワールドに想を得たってとこか」とか、「sideAとsideBのヒーローをあまりに在り得ない配役にしたのは逆に意味あるよなあ」とか、「作中に『レベッカ』と泡坂さんの手品ミステリ本が出てきたのはヒントか引っ掛けだよな」と、ポツポツとは思考してしまったんですが、アインシュタインを出してきたのは、合点がいきませんでした。これは、作者の理論物理学に対する無知なのか、そうでなくて、これを意図的に miss direction として用いているとしたら、ちと卑怯(ミステリとしてのルール違反)な気もしました。「相対性理論」は時間の相対性を扱いますが、こういう「相対性」とは、ちとチガウと思います。作品は「相対性」というより、ニールス・ボーアの「相補性」なんじゃナイでしょうか。まあ、私の単なる思い込みにしか過ぎませんけど、も。
とはいえ、この映画はひとりで観るより、girl・boy friend と一緒に観るとけっこう楽しめると思います。男同士で行くのもよろしい。「あんな女いねえよ」派と「ああいう女っているんだよな」派に分かれて、喧々囂々、侃々諤々、イイんじゃないんでしょうか。 

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