借句借景
蛇眠る死にゆく春の夢みつつ
春暁に残れる星の名やいかに
春猫の命かけたる恋かなし
老梅や未だ成らざること多し
水銀灯ともり終えても朝遠し
軽やかに何を狂うか春の雪
まぼろしの地図を拡げて北帰行
アネモネという花なのと姉のいい
せっかちな燕の一羽迷いけり
何処(いずこ)にも雪は定めず着地点
薄日いうこれでも力いっぱいなの
戯侠院覚有情居士と我が位牌
男坂梅一輪咲き女坂
ウクライナ黒海に花束浮くわいな
みんな夢蕗の薹の芽は緑
烏にも七羽育てる苦労あり
騒世に黙して夜の阿修羅像
卒業はしてみたけれどどうなのよ
墓碑銘は「石は石である」にする
愚痴いうな地蔵さんいつも雨ざらし
「うた」カテゴリの記事
- nostalgic narrative 28(2024.07.04)
- Sophism sonnet・69,12-07(2022.06.13)
- 賛美歌・1(2021.08.05)
- おわかれですね お姉さん(2017.08.03)
- 我が友 たち (もちろん、替え歌でござんす)(2017.04.02)