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2013年4月16日 (火)

黄昏への帰還⑬-死にたい、死のう、死ねっ-

まず、彼(患者)は、自殺するということにおいて、自身の<意識>を無くしたいとかんがえているのではナイ。いうならば、自身の<身体>を消去したいと念慮している。さらにいうならば、その<身体>のimageを消し去りたいと望んでいる。もっというならば、その輪郭を持ったimageを絶ちたいと、ほんとうは願っている。しかしこれは奇妙なことだ。何故なら、imageはバクゼンとしていて、輪郭などナイに等しいからだ。すると彼(患者)は消し去ることの出来ない不可能な思考の真っ只中に置かれているといってもいい過ぎではナイ。では、この矛盾ともいえるバクゼンとした<身体>のimageはどこからやって来るのか。彼(患者)が関係、了解しているものは、内界、外界、近界、環界、においての時間と空間の他は存在しない。とすれば、そのどこからかから、念慮はやって来ていると考えなければ他に余地はナイ。
ここでは、コヒーレンス(自己による自己生成)と、コヒーレント(自己のゆらぎに干渉して生じる生成)のあいだに、なにか深刻な齟齬が生じているとして、かんがえてみる。たとえていうなれば、ポテンシャルなエネルギーが、運動エネルギーに疎外されているといった感じだ。もっと具体的に卑近にたとえれば、鉄棒運動で、逆上がりがどうしてもうまく出来ないことが、ポテンシャルエネルギーのせいなのか、運動エネルギーのせいなのか、自己判断がまるでつかないで混迷しているというふうだ。つまり、二つのエネルギーのどちらかが、どちらかのエネルギーに疎外されて、彼(患者)は自己疎外に陥っている。
ポテンシャルエネルギーは空間的だし、運動エネルギーは時間的だと考えられるから、もし、この矛盾や疎外が二つのエネルギーのなんらかの不一致から生じているとしてイイならば、その双方の初期値を相空間にとって双方を関数とし、いつものように微分係数(双方の比率)を求めていってもイイ。そのように幾何的に写像すると、「理由もなく」死にたい、という彼(患者)の心情念慮には「理由」がナイゆえに初期値というものがナイので、初期設定のナイ軌道が現れることになる。するとこの軌道は数多に存在することになるので、軌道というよりも、線状の集合、さらには殆ど線分と曲線で塗りつぶされた、ただ領域だけのある雲状の形態で相空間に描かれる。領域があれば、それを微積分すれば、ある部分ごとに、さまざまな彼(患者)の身体的憂鬱と対応する点(もしくは、ゆらぎ、波)が出現するのが、幾何的にはみてとれる。エントロピーの第二法則から詰めていけば、「死」はこれを一気に平衡状態にしてしまうことになる。そうするには、相応のエネルギーのうねりが必要になる。鬱病の患者が、自殺を念慮はするが実際に死に至らないことも多いのは、自殺に至るには、この「相応のエネルギーのうねり」が必要で、いま彼(患者)には、そのエネルギーも不足しているからだ。死にたいとは思うが死なない(もしくは、死ねない)という「念慮」が念慮でオワル所以はこのあたりにある。
しかしいま、彼(患者)がほんとうに死んでしまうか、死なないでおくかは、あまり重要な事柄ではナイ。私たちが求めているのは、空間的なエネルギー(ポテンシャルenergie)と時間的なエネルギー(運動energie)を関数とした微分係数の比率の何がどうなると、齟齬や不一致が生まれ、念慮がやって来るのだろうかという問題だ。これは固有のものだろうか。そうなると、まさに相空間の中の雲の領域に対して「雲をつかむ」ような気になるが、この雲状の集団の密度が分布されているものとして、ある確率で、その分布密度の一部がコヒーレンスをおこすのに充分な状態ベクトルを受けるとしたら、その確率はなんらかのきっかけとなる引き金(trigger)によって引き起こされるのかも知れない。で、あるならば、引き金(trigger)は固有であっても構わない。あたかも「刺激と反応」のような、単純な生命体の生理反応であっても構わない。そうするとそれは、「死にたい」や「死のう」というよりも、「死ねっ」という強い表現的自己の表現で彼(患者)を見舞うのではないか。この「死ねっ」は、他者からみて、どんな他愛もないことでもイイ。彼(患者)にとって固有なのだから、それが、彼(患者)にとって「無慈悲」な出来事であればそれで足りる。演繹すればさまざまな身体的憂鬱の情報を一気に収斂させてしまう、trigger、「死ねっ」という「無慈悲」。一気に係数の比率が変わるそれは、時間と空間から計り知れば「加速度」というものになりそうだ。

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