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2012年10月19日 (金)

映画感想『悪の教典』(三池祟史・監督)

サイコ・キラー映画としては上質のエンターティンメントです。子供たちが殺戮されることに生理的嫌悪を抱く観客もあるでしょうが、そういうひとは、観ないこと。私はこのドラマツルギー(劇世界)に感情同化して、二十年若かったら伊藤英明が演じたチャーミングなサイコパスを演じてみたいと思いましたワ。彼に同化したワケではありません。純粋に役者としての演じ甲斐ですね。とはいえ、不満がナイとはいえません。サイコパス(人格障害者)が人殺しをする。つまり殺人鬼(殺人狂)が殺人をするというのは、いってみれば「キチガイに刃物」で、アタリマエのことですから、常人が突然人殺しを始める異常さはありません。カミュの『異邦人』のように太陽が眩しかったからひとを殺した、という不条理でもありません。たとえば、ヒッチコックの名作『サイコ』と『鳥』。ヒッチコックスリラーの中でもベストの評判の作品ですが、私はあまり『サイコ』はイイとは思っていない。何故なら、殺人に理由があるからです。ところが、『鳥』は突然、理由もなく鳥がひとを襲う。それについての説明は一切ナイ。こっちのほうが恐ろしい。ヒッチコックにはその両方の作品があって、心理がどうだのこうだのというほうは、私はあまり好きではありません。それなら、上映時間のあいだ、ヒヤヒヤさせられ続ける、ヒッチコック・サスペンスのほうが好きです。この映画を評価出来るもう一つは、子供たちの演技です。チラッとだけのいわゆるちょい役も、きちんと演技している。しかも、いわゆる、お芝居ではナイ。ここは三池監督の演技指導の大成功でしょう。深作監督の『バトル・ロワイアル』にはまだ及ばないとして(あっちは出来が良すぎる)、多作の三池監督作品としては代表作になるんじゃないでしょうか。東宝さんも、昨日のアホ映画の汚名を濯いだというところであります。R15+指定なんですが、14歳なら観てもイイと思いますね。

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