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2012年6月19日 (火)

SLOFT/N稽古日誌・5

ジム・ジャームッシュの『リミッツ オブ コントロール』を観て、何度も苦笑、大笑いしながら、ああ、こういう芝居が創りたいなあと思う。処女作から比べると実に洗練されてはいるが、ジャームッシュのジャームッシュらしさはいよいよ鋭く、「失うものは銭と命しかナイ」と、この監督の映画はいつもそういっているようでならない。ポスト・ドラマ演劇がどんなものか、一度も観たことはナイのだが、その批評などを読むと、おそらくは象徴(symbol)か喩(metaphor)か形態(form)がストーリーやプロットを拡張しているのに過ぎないのではないかと想像してしまう。ジャームッシュの映画は、それら自体がすでに映画という虚構に凌駕されているのだ。いわゆる、現実を喩として描くか、喩で現実を描くかというところは、現在の演劇表現者には自問されてイイと思う。
SLOFT/Nの稽古は、なんとか吐き気と発熱ナシで観られるようになってきた。その理由のひとつには、SLOFT/Nという集まりが、何の共同幻想にもとらわれていないという健康的な部分として私にみえてきたからだ。
演出担当が緻密な(私からいえば些細な)ところに執着する理由は、演出者の固有性だからしょうがナイが、ときおり、演出担当が、全体の流れを見失う(混乱する)場面に遭遇する。ここは崇徳院でいかないとなあ。「われてもすえにあわんとぞおもふ」だ。
和気あいあいに進んでいるようにみえながら、私がここは、というところをレクチャーすると、みなさん、眼差しが変わって台本に書き込んだりする。そういうところはキチンと演技塾になっているなあと、私自身が感心するところだ。てんぷくプロさんの稽古場はちょうどイイ広さで、私にも演技者の各様が個々にワカッテきた。これは私がSLOFT/Nをはじめたプランに合致するもので、私もいい資本を増やしたと満足している。得るものは多い。そうして、失うものは銭と命しかナイ。

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