はらはら、と
一枚、いちまい、なにかが剥がれるようにして、時代は終わっていく。ザ・ピーナッツの伊藤エミさん死去、享年71歳。/舞い落ちしパラソルの影はらはらとなにをしらせんその意味を問う/
サロン演劇というのが、むかし、あったような気がする。インテリたちが集まってなにやら理屈をいいあいながら、その流れで居酒屋で気勢をあげたりしていたような気がする。インターネット依存症がある時代だ。アウトネットとしての演劇の現場があっておかしくはナイ。演劇は演劇ごっこをやっているときがイチバン楽しいからだ。それを悪いとは思わない。ひとは集うし、また、そこを足掛かり、きっかけにして、さまざまに生きればイイんじゃないか。とはいえ、独り、地獄を彷徨わねばならないときもまたあるのだ。
この前の伊丹の塾のアト、いつものように軽く一杯、師範と館長と担当と。館長が、自分のカラダのいろいろと壊れてきたことをいう。べつに嘆いているワケではナイが。そりゃあ、壊れる。闘っていれば、誰だって疵を負う。壊れつつ闘うという戦術も学ばねばならない。そういう年齢なのだ。
エミさんの71歳は、女性にしては若死にだった。まだまだ美しかったろうと思う。

