無料ブログはココログ

« tea break 『内角の和』を御馳走になる・11 | トップページ | 私の要望する俳優(演技者・役者) »

2012年5月 7日 (月)

tea break 『内角の和』を御馳走になる・付録

実をいうと、私は、スズキ氏の演出風景を一度だけ観たことがある。いつだったか、まだ利賀村に要塞の出来る前だと思うが、名古屋に巡演があったのだ。このとき、私はまだまだ劇作家といっても末席の端っこにいる若造だったから、チケットの手配などしてもらえるワケもなく、それならというので、本番前の場当たり(通しの時間がなかったらしい)を少しだけ拝見した。白石加代子さんもまだいらした頃で、何の場面か、まったくワカラヌが、演目さへ忘却しているのだから仕方ないとして、スズキ氏は、客席から舞台に演出(ダメだし)を敢行されていた。で、どうも気に入らないとみえて、そのシーンが何度も繰り返され、白石さんに対しても「婆ぁがモゴモゴいってるようにしか聞こえねえんだよっ」と怒鳴り散らされていた。私は役者を怒鳴ったり叱ったりする演出者はあまり得意ではナイのだが、といって私自身、演出家ではナイので、演出なんかにはまるで自信がナイゆえ、怒鳴りも叱りもせずに、ただ黙って観ているだけなのだが、繰り返されるそのシーンと罵声を聞いているうちに、ああ、このシーンはそんなに出来が悪いのではなく、単に役者の気の緩みを本番において招かぬように、わざとキツイことをいってらっしゃるのだなと、気がついた。演出家というものは、そういう戦略もまた持つ必要があるのだ。
ま、それはともかくとして、偶然開いた40年前の書籍をいろいろと御馳走になれたのは僥倖の至りというべきだろう。ごちそうさまでした。

« tea break 『内角の和』を御馳走になる・11 | トップページ | 私の要望する俳優(演技者・役者) »

演劇」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/558792/54653671

この記事へのトラックバック一覧です: tea break 『内角の和』を御馳走になる・付録:

« tea break 『内角の和』を御馳走になる・11 | トップページ | 私の要望する俳優(演技者・役者) »