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2012年3月27日 (火)

『マリリン 7日間の恋』

サイモン・カーティス監督のこの映画、コリン・クラークの原作で実話だということです。つまり、このコリン・クラークがサード助監督についた『王子と踊り子』(ローレンス・オリビエ監督・主演)を入れ子にしたメタ映画なワケです。マリリン・モンローをミシェル・ウィリアムズという若手女優が演じて、ゴールデングローブ主演女優賞他、数多の主演女優賞を獲得しています。物語は単純なもので、『王子と踊り子』の撮影のためにイギリスを訪れたマリリンはなんでか情緒不安定で、せりふもうまく出てこず、撮影をすっぽかしたり、途中で投げたり、同行してきたポーラ・ストラスバーグ(このひと、あのリー・ストラスバーグの奥さんですわ)に相談したり、慰められたりするんですが、やっぱりうまくいかず、ついにはヒステリックになって「リーに、リー・ストラスバーグと相談するワ」なんていいだすんですが、先述したコリンくん23歳と親しくなって、コリンくんは他に口説いていた衣裳係の女性もいるんですけど、マリリンに魅せられて、特にどうってことない助言をすんですが、ともかく、恋をして、つまりですね、情況から読み取るに、マリリンの情緒不安は、1に自身がマリリン・モンローとしてしかみられない不安、2に三度目の夫アーサー・ミラーに対する不信、それと3に妊娠初期の影響、のようなんですけど、コリンくんと、いままでしたことのナイ恋をして、立ち直る、あまりベタベタしないラブ・ロマンスです。なんだか悲恋ものばかりが多いご時世に、こういうサラッとした大人の恋、それによって成長するコリンくん、というのがエエですな。もちろん、ミシェル・ウィリアムズは、主演女優賞(アカデミー賞でも候補だったんですけど、相手が悪かったですな)を幾つも受賞しているだけあって、賞賛ものです。マリリン・モンローは、ストラスバーグのアクターズ・スタジオにも真面目に通っていて、セクシー女優、セックス・シンボルというレッテルから演技派への脱皮を目指していたようです。『メソード演技』(エドワード・D・イースティ著・劇書房)には、一章とって、マリリン・モンローのエピソードが書かれています(読むとですな、マリリン・モンローが入所十八カ月目にして、「場面を設定した短いシーンのドラマ」を、映画のマリリン・モンローではない、「外的性格」で演じたということなんですけど、そりゃまあ、マリリン・モンローは、映画ではマリリン・モンローをまず演ずるところからしか仕事が出来なかったワケですから-もちろん、プロデューサーサイドの要請です-まったく違ったマリリンを観たその場のスタジオの生徒たちには大きな衝撃だったでしょう)。映画の冒頭では、うまくいかないところを、なんとかメソッドで乗り切ろうとするんですけど(そういうせりふもあります「役の内面が創れない」だったか、そんなようなせりふ)、コリンくんとの恋がイチバンの薬だったようです。特筆すべきは、ジュディ・デンチ(007のM役の女優)の、さすがな演技です。せりふもイイです。マリリンの相手役なんですが、マリリンの遅刻にも、掛け合いのせりふでマリリンが何度もNGを出すことにも、文句ひとついわず、懐の深いところと、マリリンに恥をかかせぬ配慮をします。(こういうところをこそ、見習えよな、日本の大女優とやらはっ)女優志願の方、女優の方、観て損はしません。

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