無料ブログはココログ

« 如是想解・6 | トップページ | 如是想解・7 »

2011年12月18日 (日)

映画感想『ヒアアフター』(DVD)

 

この作品は日本では2011年2月19日からワーナー エンターテイメント ジャパンが公開していたが、同年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受けて、3月14日に、同日限りで上映を中止の憂き目にあった。
この作品をこそ、観てもらいたいと思うのは、震災(津波)被害にあっていない私の驕りでしかナイ。ただ、そう願う私もまたいる。
この作品を観るにつけ、クリント・イーストウッド監督は、もはや巨匠の仲間入りをしたといって過言ではナイ。ざっとあらすじをいうと、フランスの女性ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、滞在先で津波被害に遭い、このとき、いわゆる臨死体験をする。その時に不思議な光景を観る。イギリスの少年マーカス(フランキー・マクラレン&ジョージ・マクラレン)は、愛する双子の兄が、母親がほんとうにヘロイン中毒から更生しようとして、買いにやらせたクスリを購入のアト、不良たちに追われて、自動車事故で亡くなった悲しみから立ち直れナイで、里親のところを抜け出しては、霊能力者を捜す。アメリカ人ジョージ(マット・デイモン)は、かつて霊能者として知られた人物だが、次第に自らの才能を「これは呪いだ」と嫌悪して霊能力者としての仕事から足を洗って工事現場の仕事についていたが、そこをリストラ、兄はそんな彼を使って再び商売を始めんとするが、ジョージは敬愛するディケンズの家のあるロンドン観光へと逃避する。大半は、この三人が何処でどのようにして出逢うのかという、巡り合わせの興味で貫かれ、観ているほうとしては出逢うことはワカッテいるのだが、そのアトラクトに、どんどん引っ張られていくことになる。そうして、この三人は、ロンドンで会する。ここはこの脚本の最も優れたところだ。全体のほんの少しの部分であるのだが、私は少年マーカスとジョージ(霊能力者)との邂逅に嗚咽してしまった。ジョージがマーカスに、死んだ兄のことを伝え、兄のコトバにマーカスが頷くだけなのだが、こういうところをみごとに演出するのが、イーストウッド監督を、私に巨匠といわしめさせる所以だ。エンドプロットのジョージとマリーの二度目の出逢いも素晴らしいと思う。ヒアアフター(『来世』)が如何なる宗教宗派のそれでもなく、心身に流れ込むように描かれる、それを信じるとか信じないとかはもう、どうでも良くなる。とても優れた童話を読んだ読後感のような余韻に包まれた。
余談だが、本作の収益金のうち約100万ドルが、震災義援金として寄付された。

« 如是想解・6 | トップページ | 如是想解・7 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/558792/53510438

この記事へのトラックバック一覧です: 映画感想『ヒアアフター』(DVD):

« 如是想解・6 | トップページ | 如是想解・7 »