SLOFT通信・work2・2
SLOFT本格稽古初日。
加わった男子にとりあえずキャスティングのために、相手役を交換しながら読んで貰う。手っとり早く舞台を説明。これをやらないと、ドラマツルギーが解説出来ない。で、castは決まる。トヤマ曰く「いいキャスティングですね」まあね。ただし、演技は予想通りのもの。つまり、そこいらのテレビドラマで覚えてきたもの。まず、立つことを教える。これだけで、一回目とスッカリ違う。歩き方、カラダの向け方など、いつものように指導。顔で演技をしないことを注意。さて、休憩、トヤマに「どうしてみんなああいう演技になるんだろうね」と質すと「気持ちイイからでしょ」なるほど、自分ではのろのろ歩きだといってはいるが、ちゃんと学んでいることは学んでいる。で、トヤマには悪いが(というのも、彼も出演者の一人なので)、「きみたちの演技はきみたちにとって気持ちイイのだろうが、観客はただ、安心して、放漫になるだけだから、観客に視線を集中させる緊張感のある演技をやってもらうからにぇ」と、いっとく。それから、何故、演ずる時に動かないでいるのか、の解説。絵画や彫塑は動かないでしょ。でも、ひとに感動を与えるよね。といっとく。「きみたちの演技はよーするに新劇の延長なの。平田オリザはそれに反撥、それを否定しているけど、あの演技論にも私は賛成できないが、それは、SLOFTとは関係ないので、端折る。だかんね、ここでは、演技のバリエーションを増やすと、そういうふうにべんきょーしなさい」と、いっとく。みなさん、真剣に取り組んでいる。こういうのは指導者冥利につきる。

