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2011年4月17日 (日)

ドイツと日本

新聞の報道によると、東電の福島原発に対する安全対策が如何にずさんであったかが、よくワカル。これを期に、他の数多ある原発もさらなる安全対策(「想定外などナイ)をとるのはアタリマエのことだ。たとえば、原発に旅客機が墜落するなどということも笑って「そんなバカなことは・・・」とはいえないのだ。「フクシマ」では、有り得ないとされたことが起こったのだから。
ここにきて、もうひとつ、新聞報道によると、ドイツの原発促進がストップされ、見直しから、廃止へと動いていることが、大きな記事ではナイがちょくちょく出てくる。そこでドイツの原発(あるいはエネルギー事情)について調べてみた。
その前に、原発エネルギーの材料であるウランの埋蔵量というのが、どの程度あるのかをみてみると、推定資源を合わせて、2007年の時点で、84,3年だ。100年もたないことは現時点でもマチガイないだろう。つまり、次々世代にまでは原発はエネルギー源を全て失う。(海底・南極・資源については不明)よってプルトニウムを再処理する、プルサーマルが考えられ、一部実施されているが、これはリスクが高すぎる。
次いで、ドイツの原発は2009年の時点で17基、日本は69基。単純に廃炉にするにせよ、この数はあまりに差があり過ぎる。では、ドイツはエネルギーを何に頼っているのだろうか。IEA(国際エネルギー機関)2009年の統計では、日本のエネルギー自給率において第一次(石炭・原油・天然ガス)エネルギーの割合は17,6%、ドイツの場合は41,4%で、ここも断トツの差がある。もう一つIEAの統計によれば、日本の地熱・太陽光・風力・などの二次エネルギー発電は石油換算すると、359t、ドイツは421t、ほぼ似たような程度だが、CRW(薪・炭・バイオエタノール・農産物の残留物利用・動物の排泄物利用・都市廃棄物利用)においては、日本が738t、ドイツは2240tとここはずいぶんと差のあるところだ。原油の供給だけをみると、原油自給率0,1%の日本は産出が29万t、ドイツは336万tで、ドイツの場合はそのうち69万tを輸出している。もちろん、どちらも輸入に頼っているのだが、日本の輸入における中東への依存度が87,4%であるのに対して、ドイツの中東への輸入の依存度は3,3%で、その多くをノルウェーなどの政情が安定している国に依っている。総発電量は日本もドイツも原子力発電の占める割合(2007年)は同じ22,1%だが、日本は11950億キロワット、ドイツは6371億キロワットとほぼドイツは日本の半分だ。原子力発電は、チェルノブイリ以降、総電力に占める割合が下がっているが、近年はまた上昇しているから、この程度とみていいのではないだろうか。
だから、どうだというのではナイ。ここには、経済的な、あるいは政治的なcategoryも入り込むので、資源としての比較だけをしてみた。それだけのことだ。いい添えれば、ドイツは賢くて、日本はバカだといわれるのが癪だったに過ぎない。

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