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2010年10月11日 (月)

命日

この八日、クラモチくんの命日。一周忌の法要宴席を避けて集まったのは、私を含めて4人。Uさん、U妻さん、Sさん。U妻さんとSさんの二人と私とは初対面なのだが、会った瞬時に、波長が理解出来て、何も語ることなしに和んでしまう。さすがに、クラモチくんが選んだ(つきあった)ひと、という印象。墓参りをすますと、仏間で、クラモチくんの奥さんを交えて、故人の思い出話。ここはいいところばかりではナイ。愁嘆場と修羅場の中間。奥さんが「あのひとは、何もしゃべらないひとだったから、わからなくて、とても冷たいひとだと思いました。私の具合が悪いときも、何もいってくれなかったんですよ」、いやあ、故人を偲んで、ハンカチで涙を拭いながらも、恨み節。私たちは、寿司と天麩羅を頂きながら、苦笑。「それは、ちがいますよ、奥さん」と、故人の弁護。各自のそれを聞くと、奥さんもともかくは納得してしまったふう。それが聞きたかったんだなあ、きっと。「そういえば、私が悩んで困って苦しんでいたときに、・・・そういうときは、自分のことをイチバンに考えろ・・・とだけはいってくれました。それで、胸のつかえがとれたことがあったけど」、とまあ、このコトバはこの日の私の収穫でもあった。私の場合、18か19の頃、若気のいたりで、死ぬか生きるかという苦悶を抱いて、彼の下宿を訪れたとき、壁に「真なるものは蹉跌する」という貼り紙があったなあ。・・・息子の嫁さんが顔をみせたのは、孫が二人、奥さんに甘えてなだれこんできたとき。で、孫を連れてさっさと退場。「あのひとは、どういうワケか、あの嫁がすごく気にいっていてね、いまも、挨拶のつもりで顔をみせたんでしょうけど、愛想がなくて」、いやいや、私はUさんとともに昨年2度、嫁さんと会っているが、vividで、下町美人。そつがなくて、余計なことはしない。たしかにクラモチくんの気に入りそうな嫁だ。息子さんも、いいひとを選んだ。これまた、クラモチくんの血かな。お別れに、貴君の享年62歳までは、オレもなんとかやっていくからナ、と仏壇の遺影に挨拶。ところで、彼の写真嫌いはとことんで、正面を向いて写真に写っているのは、遺影を含めて二枚だけだそうな。そうそう、奥さんの口から、何かの拍子に「渡世というんですかねえ」という、コトバが出たのには、少々驚いた。たぶん、クラモチくんの口癖だったのかも知れない。「渡世」。読んで字の如し。されども、こいつがなかなか難しい。

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