おコトバではありますが・7
ジグソー(jigsaw)のピースはほぼそろっているのだが、これをどういう順番で、置いていけばいいのかが、明確にワカラナイ。だから、ある程度はアフォリズムのような書き方になるかも知れない、と断っておく。まあ、そのほうが、思いのまま書けるからオモシロクなりそうな気もするけど。・・・で、突然、フーコーの話をするが、フーコーは『狂気の歴史』という著作を記している。これは、狂気だけではなく、人間の病気というものについて、それを各々の時代がどう扱ってきたかという、いわば「正気と狂気」というものは誰によって、どう分別されたかを主軸に、「権力」の問題を論じている。フーコーは、ニーチェの影響を強く受けているので、書くものも、いうことも、哲学というより文学的だ。たとえば、デカルトの「我 思う ゆえに我あり」(すべてのものを疑い、自らを疑ったとしても、疑っているという「私」の存在は認めないワケにはいかない)に対しても、「ほなったら、デカルトが精神病やったとしたら、どないなんねん」というのだ。これには、大笑いするしかナイ。ヘーゲルが、人間の自己意識を探求して、絶対的な「知」に到達すべく弁証法を説いたことに対して、ニーチェは「そんなうまい具合に、人間というものは出来ていない」と、一行のアフォリズムでこれを揶揄した(かどうかは、ほんとは知らんけど、ニーチェなら、それくらいのことは、どこかでいってるでしょ、たぶん)。・・・ところで、「構造主義」の[構造]というのは、いったいナニをいわんとしているのか。日本の政治家のように、当初「構造改革」と、さんざんいっておきながら、途中で、この「構造」を仕舞い込んで、単純に「改革」とだけにしたのとは、ワケが違うぞ。「構造主義」が、もともとは、ヘーゲルやマルクスの「歴史主義」というものに対して起こった学問であるから、後者を時間軸による人間の捉え方とすれば、前者は空間軸による人間の捉え方、というふうに説明も出来るが、ナンのことだか、ね、と、いわれそうだから、付け加えておくと、というか、レビィ・ストロースの『構造主義とは何か』からそのおおよそを引き出してみると、・・・たとえば、人間の顔を思い浮かべてみる。目鼻耳口眉毛と、人間であれば、どんな人間でも、ついている位置は、顔全体の部分ということにおいて同じなのだ。然るに、美人とブスが出来上がり、イケメンと醜男が出来上がるのは、何故か。それは「構造の違い」だよ、といえば、なんとなく理解出来そうか。この「構造」は、他の動物でも同じ配置としてみられる。しかし、私たちは、人間の美人とブスは区別がつくが、ゴリラの美人とブスは区別がつかない。これはナンでなんだろう。てなことを考えるのが、構造主義だと思えばイイ。ここには、歴史(という時間軸)は、あまり作用しない。たとえば眼球の構造は、人間もゴリラも同じだが、昆虫は違う。とはいえ、それが、モノを視覚的に捉える部分であることに違いはナイ。進化論において最も困難なのは、眼球だといわれている。というのも、眼球というのは、基より、眼球として存在しなければならず、じょじょに進化して出来上がるシロモノではナイからだ。つまり、次第にモノを観る必要があって進化してきたというモノではナイのだ。「構造主義」は、歴史というもの(時間)を除外して、本来的に人間(その社会)の持つ隠れた「構造」をあぶりだそうとする。そうして、「歴史」に対しては「体系(system)」というものを対置する。・・・と、まあ、これは、予習だ。面倒だが、この程度は知っていてもらわないと、この先、読者が減るからな。次回は、こういう「構造」を踏まえて、のっけから、ソシュールの「そこんとこが、アカンかったのよ」から始める。
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