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2010年3月10日 (水)

おイキリョさま

おイキリョさまがくるだぞ

おめの寝ているまに 嫁の髪の毛が影になって それがおイキリョさまぞ

ゆうっぐりど おめの首 しめる ゆぐりと な

朝になったら おめ 死んでる

嫁はうその涙ながして 井戸のみなこ(水底)みて 笑うだぞ

おイキリョさまは しおらして おどなしから 夫(つま)にはわがんね

おらか おらは やってね

じ(爺)さまは おイキリョさまが殺したんで無エ

ありゃ ひどりで 谷 とびおりた

なんでかは 知らん

おらは ようけ 楽をしたさ

んでも おめの 弟さ おイキリョさまに 首くねいてらるところ みてた

嫁は横むいたまま 寝でる 

からっぽの 嫁さ なんもネエさ 知らんうちさ

おなごなんつうもんは ほんどは 箱にへえってるもんさ

それが ふた開けて 出てくるようになるさ

なんでかは 知らネ

おめも 気ぃつげて いきゃ

旅ん出て けってくるころが もっけえ(最も) おそろしかさ

嫁 おイキリョさまの髪に なってるかも しんねぞ 

「そういう話を、むかし、18歳くらいだったか、祖母から聞かされたことがある。ところで、俺は、そういった話が好きでね。じっさい、俺が死んだら、そんなふうなナニカにやられたと思ってくれるとオモシロイんだが、どうかナ」

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