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2010年3月25日 (木)

信念と成り行き

ニーチェの本が叩き売りだ。つい先日、塾の時間までの暇つぶしに、ショッピングモール内の、比較的大きな書店に入ってみたが、店頭に『超訳・・(正確なタイトル、なんだったかな)』てのがあって、ページを繰ってみたが、こういうふうに訳されると、なんだか相田みつお(だったよな)と、あんまり変わらないように読めるから、ナニがどうなんだろうな。とはいえ、あれを契機に本書を読んで、ゲラゲラ笑うという(哲学の本を読んで笑ったのはニーチェだけ)のも一興だ。まるで漫談だからな。・・・たぶん定年退職したオヤジだろう、買い物カゴを下げて本棚を物色している。たくさん買う気でいるんだ。一冊、カゴに新書が入っていたので、何を購入されたのか覗いてみたら『信念を貫け』というタイトルが読めた。信念を貫くなら、そう何冊も書籍を求めることもナイじゃん、と、皮肉に思ったが、まあ、ひとごとだから。・・・談志家元は「人生成り行き」というのが座右の銘。どこか仕事に行って、その会社の受付嬢の応対が良かったからってんで、そのメッチェンを嫁にした。奥さん、いまだに落語のことに関しては、まるで無知だそうだ。藤子不二雄さんの藤本先生のほうも、奥さんはマンガに関しては藤本先生存命中かつ亡くなっても無知で、子供たちには「おまえたちのお父さんは絵が上手なんだよ」とだけしかいってないらしい。藤本先生の悩みは、生前聞かされたことでいえば、ドラえもんだけが売れて、『SF短編マンガ』が売れないこと。この全集は何度も装丁をかえて出版されていて、私も解説なんかを書いてるけど、売れない理由は「理が勝ち過ぎて」本格すぎるからだとしか思えない。一所懸命、マンガレベルにまで破天荒にしているのだけど、藤本先生の真面目な性格から、コミック愛好者にはイマイチなんだろ。『エスパー魔美』がその傾向の本としては最も売れているらしいから、推して知るべし。・・・私だって、なんで『ぶらい、舞子』が売れない(どころか、話題にもならない)のかがよくワカラナイ。ミステリだから、仕掛けをいってしまうとヤバイんだけど、物語途中で、二度、犯人が予想出来るミス・ディレクションがあるんだけど、ひでえところでは、とある出版社(ここ、筒井康隆さんとももめているところ)の女性編集者なんぞ、途中で犯人がワカルのはダメですなんて、原稿返してきた。・・・信念を貫いたり、そのために忍耐したり、そういうのは、けっきょく、相手にとっては恨み辛みにしかなんないし、自分にとっては精神か神経を病むだけよ、というのが、他力本願の成り行きで生きてきたこの四十年の結論です。

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