黄昏の予兆
「わたしはほんとうは怖ろしかったのだ 世界のどこかにわたしを拒絶する風景があるのではないか わたしの拒絶する風景があるように・・・」(吉本隆明『固有時との対話』より抜粋)
「おれが愛することを忘れたら舞台に乗せてくれ(略)もしおれが呼んだら花輪をもって遺言をきいてくれ もしもおれが死んだら世界は和解してくれ」(同、『転位のための十篇』「恋唄」より抜粋)
いっとう最初に買った吉本さんの本は思潮社の『吉本隆明詩集』だった。
「みえない関係が みえはじめたとき かれらは深く訣別している」(同「少年期」より)
だから、オレが死んだら、どうかみんな和解してくれ。
またあの宿痾が始まるのではないかという予兆に怯えながら、「いや、オレは少しツカレテいるだけだ」と、明日からはまた仕事に逃げよう。さらにツカレテしまってもだ。
よしんば、五十七年の人生を全否定されても、成してきた仕事だけは、死守すべきだ。たとえ、それによって死なねばならぬとしてもだ。
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