この丘だったかな
きみは 丘にいるのか
きのうの夏が きょう秋になって
とどいていたメールがとだえ
ふと私は正気にもどって 窓を開けたが
きみは 丘にいるのか
あの丘に
それならそうと いってくれないと
それで きみは 丘の どこにいるんだ
いくらさがしても きみの姿 は みえず
でも たしかに 丘にいるんだな
こっちがわか むこうがわか
きみは丘のどっちがわにいるんだ
それとも丘のうえにいるのか
私は丘のうえまで歩いてきてみたが
光ばかりがまぶゆくて ゆっくりと吹く風に
光がひとしく はりついて
私をつつんでくれるのだけれど
きみの姿が みえないのは
どういうことなんだろう
きみは丘にいるのか それとも
この光がきみなのか
私は迷ってしまって また狂人のふりをしているぞ
ああ、でも
きみと出逢ったのも この丘だったな
きみの下宿は ひっそりとして
書物ばかりが 堆く積まれ
あれは きみの 墓標だったのかい
そんな記憶がふいに過って
私は丘に 歩いてきてみたけれど
どうして 涙が出るんだ
丘にきてみただけなのに
きみは 丘にいるのか
では、私は 私も 私は ここに座るよ
この丘だったかな ああこの丘だったよな
うん うん うん
私はうなずいて ここに座るよ
いい とてもいい ひかりだな
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