無料ブログはココログ
フォト

« 映画情報『PUSH 光と闇の能力者』 | トップページ | 要不要 »

2009年9月13日 (日)

『戦場のメロディ』というドラマ

フジ系列、9月12日、21時~23時10分。末谷真澄・脚本、田島大輔・大川卓也、成田一樹(他、プロデュース)・・・やれば出来るじゃないかという、ひじょうに直截な感想を持った。この手のドキュメント・ドラマは、どうしてもドラマ部分が嘘っぽくなるのだが、私のようなへそ曲がりの者(多少は、同業種だからしょうがナイのだが)が観て、出演者すべてにかなり手厚い演出が行き届いていたことは、クライマックスの渡辺はま子(薬師丸ひろ子)が収容所で歌うシーンに強く現れていたと思う。テーマは、一曲の歌である。このドラマで、太平洋戦争そのものの責任制(その所在)を問う(渡辺はま子自身は、戦中慰問の自責から活動を始めている)のは無理なことで、もし、それを引き込めば、逆に主題もろとも散開してしまうことになったに違いない。『あゝモンテンルパの夜は更けて』と、その歌による庶民大衆の運動が、当時の日本の政治にどの程度影響を与えたのかは、枝葉末枝としてバッサリやっているが、また、政治的接触も含めて殆どその関連を描いていないのは、たぶん、戦争に一家言ある評者には、いつもの感動戦争実話として、物足りないところだろうが、一曲の歌の運命は、たしかに見事に描かれていたのだ。よって、演劇屋の私などは歌にはかなわねえな、と嫉妬するのだが、それを、ドラマとして演じられたところに、演技も芝居もすてたもんじゃねえな、と、またほっとするのだ。余談だけど、薬師丸ひろ子さんは、だいぶんにボイストレーニングしたなあ。

« 映画情報『PUSH 光と闇の能力者』 | トップページ | 要不要 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『戦場のメロディ』というドラマ:

« 映画情報『PUSH 光と闇の能力者』 | トップページ | 要不要 »