怯懦
夕食前に書いたエッセーを削除した。何に怯えているのかワカラナイが、なんとか鼓舞せんとして書いたつまらない文章だった。朝から被害妄想に似た念慮が入り込んで、家人にずいぶんと迷惑をかけているのではないか、叱られるのではナイか、私のことで何か不満があるのではナイか、鬱陶しいのではナイかと、口を貝のように閉じて、ココロが微動だにせず、それでも、かつては、こういうときにこそ書いていたではないかと、自分を奮い立たせて、仕事をした。すると、またツマラナイものを書いているのではナイかという強迫観念が現れる。ケンメイに冷静に、書いている小説を頭から解析して、そんなことはナイはずなんだがなと、それでも半信半疑なのである。今朝、いつもの時間に喫茶店のモーニングから帰ると、異常な眠気がして、そのまま寝床に倒れ込むようにして2時間も眠った。昨夜はそんなに遅く就寝したワケではナイ。その上、やはり昼間眠くて、また午睡をとった。何か脳がひじょうに疲れているなとだけ思った。そうかと思えば、昨日は、昼日中、往復1時間もかけて坂道を登って汗だくになりながら、咳止めの喫煙薬を買い求めてきた。別に自我が崩壊しているワケではナイが、要するに行動に落ち着きがナイのだ。相変わらず血圧は下が高く、交感神経の興奮が続いていることを物語っている。不安や焦燥はナイのだが、厭世感は強く、厭う世間に生きているということにびくついている、と、いってみればそういうことになる。己が影に吠える犬と同じだ。
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