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2009年4月 3日 (金)

喪主ラ・3

葬儀というのは、故人が病院で死んだ場合、霊安室からの搬送から始まる。おおよその病院においては、長い安置は嫌がられる。父は(予想はされていたが)急死で、といっても、人間うまく出来ていて、死ぬ数時間前は脳内麻薬物質が分泌されるようで、数時間心地よく眠っての大往生であった。深夜であったので、ナースさんのほうも主治医のほうも対応がたいへんだったろうと思う。こういう場合に備えて、主治医への心付けは数万円程度しておいたほうがいい。(大金では受け取るほうも困惑されるので、3万円程度がいいかと思われる)受け取りにくそうな場合は「貧者の一灯」とでも添え書きしておくといい。搬送は葬儀屋に「搬送だけ」をとりあえず依頼する。父の場合朝の7時という病院の朝食時間にあたっていたので、ナースさんにはたいへん迷惑をかけた。よって「供養」として蜜柑をお礼に送ることにした。・・・さて、葬儀委員長、葬儀屋、喪主、母、広島の(以下広島とだけ記す)葬儀会社社長、その他数名で、段取り仕切り打ち合わせ。ここで、私が慌てないで(余裕すらあった)いられたのは、ある発見があったからだ。それは、この急を要する打ち合わせは小劇場演劇におけるスタッフ打ち合わせとソックリなのである。葬儀委員長を舞台監督であるとすれば、喪主は演出家というふうに理解すればいい。アトはスタッフ出演者である。主役のほうは死んでいるが、ここは母親と考えておく。まず日取りを決めるのに、イチバン最初に確認するところはお山(火葬場)とお寺の予約がとれるかどうかである。演劇においても会場の予約から始まるのと同じだ。ここが決まって日程としては当日仮通夜、翌日通夜、翌々日告別式の開始時刻を決める。これで大枠が決まる。次がスタッフ会議と同じ。葬儀屋の分担(丸投げするひともいるだろうが)から、省くものを決めて見積もりをとってもらう。隣組の付き合いなどがあるので、町内の店舗に頼めるぶんは葬儀屋の仕事から省く。葬儀屋に任せるのは、霊柩車の手配(ランクがある)祭壇の手配(これもランクがある)だが、これは写真でみせてくれるのだが、葬儀屋のほうで写真には演出が施されていて、本来はオプションであるものも飾ってあり、ここは注意して決めたほうがいい。で、見積もりはその場でとってくれる。およそ九十数万。これは相場であるのでOKする。お寺と火葬場関係に対しては、事前に母から葬儀委員長に幾ばくかの支度金が支払われている。端的にいうと、葬儀屋への支払いとスタッフなどの食事代以外は前金で渡してある。さて、この地方では、隣組の地域(約13組)を地所と称し、他を他所と称する。従って通夜と告別式の受付も「一般」「親族・関係者」ではなく「地所」「他所」の案内看板が立つことになる。ちなみに、私の奥さまの実家からの香典は「他所」扱いである。葬儀屋その他(うちの地方では、弔問客には地所のものに「粗飯代」が2千円、他所のものには300円、その場で供物を添えてバックされるシステムになっている)よって、これを紙袋に詰める作業も隣組の男子の仕事になる。女性はほぼ台所で、お茶とお菓子、母の話し相手、着付け、掃除などを分担しているが、ここで、対幻想は共同幻想に絡められる。どういうことかというと、「誰々何処ドコの嫁はよく働く、気がつく」などの評価がくだされるのである。委員長は祭壇に飾る盛り籠(お菓子か果物)の数合わせを考えてこれを親族などに割り振る。梻(シキビと称される。本来はシキミで、例の葉っぱだけの供え物で生花とは区別して、大は門前、小は仏前に供えられる)の分担も委員長が采配する。続けて、焼香の順番が母親とともに相談される。私は喪主なのでイチバン最初、そのアトは身の濃い順番となる(遺族、親族・・・というふうに)これがけっこう難物なのである。順番が決まったら葬儀屋にそれを渡して、当日マイクでの読み上げとなる。さて、舞台監督による、舞台スタッフと受付スタッフ、それぞれのタイムスケジュールが出ると一段落。ここで仮通夜であるが、喪主はここでも一部(父親の入会していた老人会)弔問者団体に対して挨拶がある。要するに喪主の主な仕事は「挨拶」なのである。

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