映画情報『チェンジリング』
現在上映中、さらに興行ランクベスト1の映画である。クリント・イーストウッド監督でアンジェリーナ・ジョリー主演とくれば、観に行かないほうがどうかしている。2時間20分も何のその。ふつう年取ると監督はダメになるんだけど、イーストウッドだけは例外中の例外。もはや彼の映画はアメリカの良心とさへいえる。自由と正義の国、アメリカンドリーム、そんなのウソだよと、声高にでなく、粛々と平然と訴えるんだから、まいっちゃうです。にしても、アンジェリーナ・ジョリーの演技はどうだ。奇をてらわず、ふつうの働く女性が地獄のどん底で抗う姿勢を演じて、これまたごく自然に観客をアトラクトする。『おくりびと』で浮かれている場合ではナイのだ。あれは、御本家アカデミー賞の余裕、懐の深さというやつですぞ。『硫黄島からの手紙』で、夜に日章旗が出ているのは変だ(この件に関しては以前にも書いた)なんてのたまっている映画評論家がいるこの国の映画事情はまだまだですよ。