そしてまた冬がくる
そしてまた冬がくる/いつのまにか齢をとった/そのことは記憶している/北風のきびしい震える声が/俺にも聞こえるようになったからだ/骨身に何がしみるのかがわかるようになったからだ/うけいれるということをカラダが知るようになったからだ/夕陽がまぶしくなくなって/この丘に独りでたてるようになったからだ/春来たりても去り逝くひと多く/夏はいつしか遠いノスタルジアになってしまったが/そうして秋の実りの至福のときをただ泣くようになってしまったが/それはまた冬がくるからだ/消え失せた松明を蹴飛ばして/少しはかっこうつけてみるけれど/やがてまた冬はくる/冬のつぎにくるものがなんであるのか知ってはいるが/さよならだけだが人生だろが/またくる春はナイものを/この丘に立つまなざしの私だけの風景だけが/告げている/そしてまた冬はくる
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